私たちの暮らしは、衣食住をもたらしてくれる大自然からの恵みに支えられています。生命の不思議さを思うと、神々の霊妙な働きを思わずにはおられません。その恩恵に対する感謝と祈りを、私たちは「まつり」として表現 してきました。
日本人は古くから地域のまつりと共に「家庭のまつり」も大切に守ってきました。 あなたのご家庭でも是非、伊勢神宮と氏神さまの神札をおまつりして、日本人の心と伝統を伝えてゆきましょう。
神々は、誠 を持ち、信仰ある人々を必ずお守り下さり、祖先も見えざる力を添えて、お助け下さるものであって、これによって正しい人生を作り上げて行くことができる、との信仰 に立ち、誠の心をささげ、正しい道を踏み行うことが「まつり 」です。
古来、「神は人の敬いによって増し、人は神の徳によって運を添う」、と言われます。
神宮大麻をはじめ氏神様や崇敬する神社のお神札をおまつりする神棚は、家に中でも清らかで不敬にあたらぬ様一段高いところ良いでしょう。マンションやアパート、また借家等で棚をつくることが出来ない場合はサイドボードやタンス、本棚の上でも構わないと思います。神棚の方向は南向きか東向きが良いとされておりますが、家の構造上難しい場合は北向きや西向きでも良いでしょう。場所や向きも大事なことですが、まずは神様をおまつりする心が大切です。
ご家族や近い親戚にご不幸があった場合は神棚を閉じるか、半紙をはって毎日のおまつりを中断します。神社への参拝や慶事の出席も慎みましょう
地域や家庭によって違いがありますが、一番近い親の不幸があった場合は四十九日あるいは五十日祭が済み、忌明けとなった時点で神棚のおまつりを再開します。
その年に不幸があったのでお正月をしないという家庭もありますが、お正月というのは新しい年を迎え、それぞれが一つ年を重ねるという大切な節目です。年末までに四十九日あるいは五十日祭が済んでいる場合は、お正月を迎えていただいて構いません。気になる場合は神社の社務所にて「忌祓い」をご奉仕いたします。
また年末にご不幸があった場合は、小正月(1月15日)や節分(2月3日)、旧暦のお正月(2月半ば)にあらためてお年取りをされると良いでしょう。
遠い親戚でご不幸があった場合はもっと短い期間で良いですし、ご近所やご友人の場合は葬儀の日まで慎まれれば良いでしょう。