神棚のまつり方  

私たちの暮らしは、衣食住をもたらしてくれる大自然からの恵みに支えられています。生命の不思議さを思うと、神々の霊妙な働きを思わずにはおられません。その恩恵に対する感謝と祈りを、私たちは「まつり」として表現 してきました。

日本人は古くから地域のまつりと共に「家庭のまつり」も大切に守ってきました。 あなたのご家庭でも是非、伊勢神宮と氏神さまの神札をおまつりして、日本人の心と伝統を伝えてゆきましょう。

 神々は、誠 を持ち、信仰ある人々を必ずお守り下さり、祖先も見えざる力を添えて、お助け下さるものであって、これによって正しい人生を作り上げて行くことができる、との信仰 に立ち、誠の心をささげ、正しい道を踏み行うことが「まつり 」です。

 古来、「神は人の敬いによって増し、人は神の徳によって運を添う」、と言われます。

神宮大麻をはじめ氏神様や崇敬する神社のお神札をおまつりする神棚は、家に中でも清らかで不敬にあたらぬ様一段高いところ良いでしょう。マンションやアパート、また借家等で棚をつくることが出来ない場合はサイドボードやタンス、本棚の上でも構わないと思います。神棚の方向は南向きか東向きが良いとされておりますが、家の構造上難しい場合は北向きや西向きでも良いでしょう。場所や向きも大事なことですが、まずは神様をおまつりする心が大切です。

神宮大麻  

伊勢神宮のお神札は神宮大麻と呼ばれ、天照大御神を我が民族の大御祖の神様と仰いで家庭の神棚におまつりし、日常その大前を敬拝するよう、毎年お正月を迎える前にそれぞれの氏神様より各家庭に頒たれます。当神社では12月に入りますと氏子区域各地区の方にお願いし神宮大麻と御神像(お正月様)を頒布していただいております。

お神札の順位  

 お神札を横に並べておまつりする時は中央に神宮大麻、向かって(自分から神棚を見て)右に氏神様、左にその他のお神札を奉安します。一所に重ねておまつりする場合は表(一番前)に神宮大麻、次に氏神様のお神札、次にその他の神社のお神札をおさめます。

お供えについて  

神棚にはお供えをします。米(または炊いたご飯)、酒、塩、水を出来れば毎朝お供えするのが理想的です。しかし毎日は大変だし粗末に扱ってしまうので神棚を設けないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。一週間に1回にお供えするとか毎月1日と15日にはお供えするといった方法でも良いと思います。お供えしたものをお下げしたら皆さんでいただきましょう。酒や塩や水などいただかない場合は捨てるような行為はせず、家のまわりに撒くなど清めにされると良いでしょう。

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お参りのしかた  

毎朝、神棚におまつりされている神様にお参りしましょう。神前で二拝二拍手一拝の作法で真心をこめてお祈りしましょう。

お正月を迎える  

Ⓒ CREATIVE JIN神宮大麻と御神像(ご家庭によっては氏神様のお神札)は毎年お正月を迎える前に新しくお受けして神棚におまつりし、新しい年も御加護をいただきますようにとの祈りをささげます。
 過去一年間お守りいただいた古いお札は粗末にならないよう1月14日のどんと祭にお納めします。
 御神像(お正月様)は宮城県だけに伝わる独特な風習です。神棚に大年神、大国主神、事代主神、五穀豊穣の神様をおまつりし、台所には釜神様をおまつりします。おまつりする順序は地域や家庭によって違いがあります。きちんとおまつりされていればほかの家庭と順序が違っても間違いではありません。

ご不幸(お葬式)があったとき  

 ご家族や近い親戚にご不幸があった場合は神棚を閉じるか、半紙をはって毎日のおまつりを中断します。神社への参拝や慶事の出席も慎みましょう
 地域や家庭によって違いがありますが、一番近い親の不幸があった場合は四十九日あるいは五十日祭が済み、忌明けとなった時点で神棚のおまつりを再開します。
 その年に不幸があったのでお正月をしないという家庭もありますが、お正月というのは新しい年を迎え、それぞれが一つ年を重ねるという大切な節目です。年末までに四十九日あるいは五十日祭が済んでいる場合は、お正月を迎えていただいて構いません。気になる場合は神社の社務所にて「忌祓い」をご奉仕いたします。
 また年末にご不幸があった場合は、小正月(1月15日)や節分(2月3日)、旧暦のお正月(2月半ば)にあらためてお年取りをされると良いでしょう。
 遠い親戚でご不幸があった場合はもっと短い期間で良いですし、ご近所やご友人の場合は葬儀の日まで慎まれれば良いでしょう。